宮永塗装建設

材料について 樹脂とは
樹木の脂や動物の脂を使っていたところから樹脂(Resin)と呼ばれている。樹脂は塗料の骨格をなすもので、固形のものから、水状のものまでさまざまな粘性のものがあり、塗料用として溶かしたり薄めたものを樹脂ワニスといいます。
原料
天然産の植物油、大豆油、あまに油、桐油、米ぬか油、松やに、うるし、魚油、セラツクなどを加工した天然の樹脂と、石油を原料とする化学薬品から合成された合成樹脂があります。
特性
樹脂の持つ特徴を生かし樹脂の組み合わせで塗料用の樹脂が作られます。
・アクリル樹脂・・・耐候性、対汚染性、硬度、透明性に優れるが、高温硬化性が悪い。
・エポキシ樹脂・・・付着性、耐薬品性に優れ、高温硬化性、耐候性が悪い。
・シリコン樹脂・・・耐熱性、耐候性に優れ、作業性、耐油性が悪い。
・フッ素樹脂・・・超耐候性、耐熱性、耐薬品性に優れ、高温硬化性が悪い。高価である。

●樹脂の性質は原料の種類、合成方法によって大きく変わってきます。分子量の大小によって樹脂の性質は変わります。
分子量と樹脂の性質
低分子   高分子
低性能 性能 高性能
良くなる 溶解性 悪くなる
良くなる 相溶性 悪くなる
低粘性 粘性 高粘性
多くなる 不揮発分 低くなる
やり易い 塗料化 やりにくい
アクリル樹脂 耐用年数5年程度。《商品名》DANフレッシュR
アクリル酸、メタアクリル酸の誘導体を主成分とする重合樹脂をいいます。水溶性樹脂・エマルション樹脂・非水エマルション(N・A・D)・紛体樹脂などの形態で工業用から建築(内外装)まで、幅広く使われ、性能とバランスの取れた樹脂です。
特徴
安価で透明度が高く、対候性が優れ、硬く対汚染性が優れている。また、耐油、耐薬品性がよく、電気的性能も優れる。また、弱点として、膜厚を確保しないと機能効果が薄く、耐久性がない。炭化水素系溶剤に溶けにくく、ほかの樹脂との相溶性もあまりよくない。

ウレタン樹脂 耐用年数5〜7年程度。《商品名》ファインウレタンU100
イソシアネート化合物とポリオール化合物の反応で硬化しウレタン結合を持つ樹脂を言います。
特徴
素材に強固に固着し、耐候性に優れ、耐久力も強い。硬く、耐汚染性も優れる。耐水、耐薬品性がよく、電気的性能も優れる。弱点は、イソシアネート化合物の毒性対策が必要である。アルコールを含むシンナーとの共用ができない。水分とも結合するため湿度の高い日は要注意。
建築外装用ウレタン樹脂
速乾性、耐候性、耐薬品性、凍結安定性、摩擦性に優れている。

シリコン樹脂 《商品名》水性シリコンセラ
シロキサン結合からなる主鎖のSiにメチル基、フェニール基などの基が側鎖として結合した構造をもっています。
特徴
耐熱性に優れ(200度から650度)、耐候性、耐寒性、電気絶縁性、耐水性に優れる。耐久性は13年くらい。欠点は、密着性がやや劣るため下地処理に配慮が必要。耐油、耐溶剤性が不足しているため、塗料用樹脂として使いやすくするために、アルキド樹脂、アクリル樹脂等をブレンドします。

フッ素樹脂 《商品名》オーデフレッシュF
樹脂を形成するポリマー分子中にフッ素原子を含む樹脂を言います。
特徴・・・かけはなれたすぐれた耐久性、15年くらい(耐候性)。耐油、耐薬品性がよく電気的性能もすぐれている。表面の粘着が少なく物理性能にすぐれ、撥水性能があり着氷防止にも使われ、汚染に対しても強い。反面、樹脂コストがかけはなれて高く高温焼付け二液混合が必要である。種類としては、ディスバージョンタイプ、粉体型、塗料用としてはオルガノズルタイプ、溶液型等が用いられます。

エポキシ樹脂 《商品名》ハイポン20
エピクロルヒドリントビスフェノールAをアルカリ雰囲気で反応させることによって生成する化合物を言います。エポキシ樹脂は単独で使われることは無く、硬化剤(アミン類)を加えることによって構造が変わり、自然乾燥する二液型塗料となります。
塗料用エポキシ樹脂の種類・・・加熱乾燥型、二液乾燥型(硬化剤を使用して乾燥させる樹脂のことを言います。硬化剤の混入量に過不足があると性能が低下する。)、酸化重合乾燥型がある。
特徴
付着率が強く、耐水性、耐薬品性、磨耗性が優れている。弱点はエステル、ケトン、セロソルブなどの強力溶剤だけに溶け、他の樹脂との想溶性も良くない。耐候性が悪く、紫外線で黄変・チョーキングする。

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